全日本モトクロス選手権 第4戦 SUGO大会に参戦してきました。第1戦、第3戦と続き、今年3度目のレースとなります。開催場所は菅生モータースポーツランド。ダイナミックな傾斜のあるコースで、東北屈指の本格モトクロスコースです。
今回はメンバー全員の幟を掲げて気合を入れます。この幟は、スポンサーであるYSP京葉様が作成してくれました。他にもチーム員の名前入りのウチワなども作成してくれました。名前がドンと掲げられるとテンションが上がりますね。ありがとうございます!
ツイスターレーシングのメンバーでは、#42 井上永斗選手の出身地が近いこともあり、菅生モータースポーツランドは全員馴染みのあるコースです。雨上がりだとかなりマディでタフなコースになりますが、ドライならカチパンのハイスピードコースになる為、コンディションによってセッティングや作戦の立て方が変わってきます。
レース当日は快晴となりましたが、週中に降った雨の影響が随所に残っており、1日目はショートコースで行われることになりました。カットとなるのは、スタート直後の大坂とカヤバジャンプからフープスまでの区間です。
練習走行を終えた選手に話しを聞くと、グリップ感はあるものの一本ラインが多く、抜きどころが難しくなりそうとのことでした。ヘルメットには粘りのある土の塊が多数付着するマディ具合。レースではいつもそうですが、スタートで少しでも前に出ることが最重要になりそうです。
ツイスターレーシングからは、IBクラスに4名が参戦。予選は30台ずつ2組に分かれます。ツイスターレーシングのメンバーは、うまい具合に2人ずつ2組に分かれました。メンバーはなるべく分散したほうが仲間内で競り合わなくて済むので、まずは理想的な展開です。
■ 出場選手(出場クラスIB(15位まで予選通過))
#7 堀越 秀鷹選手(予選A組)
#41 藤川 昴選手(予選A組)
#42 井上 永斗選手(予選B組)
#45 原國 翼選手(予選B組)
■予選IB Aクラス
予選最初の組は、#7 堀越 秀鷹選手と#41 藤川 昴選手が出場します。
#7 堀越 秀鷹選手は、スタート練習、轍練習をこなしてきており、気合十分。ただ、練習走行での悪コンディションに苦戦したようで、気持ちを切り替え、身体を大きく使い、バイクを進ませることに意識を集中して臨んだようです。
#41 藤川 昴選手は、前週にここSUGOでのスタート練習で良い感触を掴んでおり、調子は上々。昨年、予選通過出来ているコースなのでポイント獲得に向けて気合が入ります。練習走行では、重いコンディションだったものの身体は軽く、視野も広く取れていたので不安はなかったようです。
両選手とも事前準備はしっかり調整してきており、練習走行での収穫も十分とあって期待が高まります。
5秒前のパネルが表示されてからエンジン回転数を上げて一気にスタート。#7 堀越 秀鷹選手がうまく抜けて上位で1コーナーを回りました。これはいい展開になりそうです。#41 藤川 昴選手は少し出遅れ、集団に埋もれてしまうが中盤くらいをキープ。1コーナーの混乱(転倒)もなかったので、まずは1周目をしっかり周回する事が大事になります。
ほぼ独走状態となった#7 堀越 秀鷹選手は、自分のペースで走り続け後続との距離を離していきます。後半、中々ベストラインを見つけられず、追い上げてきた2名のライダーに抜かれるものの、そのまま3位でフィニッシュ。逃げ切る気持ちに甘さが出たと、本人談。逃げる気持ちをもっと強く持つべきだったようです。
#41 藤川 昴選手は、転倒などのトラブルはなかったものの、中盤の集団から中々抜け出せず苦しい展開。1本ラインが多かったと言っていたので、抜きどころがなく自分の走りが出来なかったようです。
予選は10分1本勝負なので、あまり余裕がありません。#41 藤川 昴選手は、追い上げきれず19位でフィニッシュとなりました。走りこんでいたSUGOだっただけに残念でした。
■予選IB Bクラス
さて、次はBクラスです。#42 井上 永斗選手と#45 原國 翼選手が出場します。
#42 井上 永斗選手は、東北の出身でありSUGOはホームコースと言えるレベルで走りこんできたコースです。今日はショートコース設定なので、普段とは少し違う点をどう攻めるかがカギになりそうです。
#45 原國 翼選手も、SUGOはツイスターレーシングの練習で度々走りこんでおり、しっかり練習を重ねてきています。第3戦のオフビでポイントを獲得しているだけに、前回の勢いを殺さずにつなげていきたいところです。
スタートしました!#42 井上 永斗選手は中盤位の位置取りで、悪くない展開です。#45 原國 翼選手はゲートを越えた際にバランスを崩して出遅れてしまい、追い上げる展開になりました。マディコンディションでの追い上げは辛いものがありそうですが、挽回できるでしょうか。
#42 井上 永斗選手は、マディコンディションに気を使って中々ペースが上げられない様子でしたが、前走車を1台ずつパスして徐々に順位を上げていきます。無理せず攻めるところは攻める、冷静な走りに見えました。
#45 原國 翼選手は、1周目で更に転倒してしまい、先頭集団とはかなりの差が開いてしまうことに。練習走行の際の手応えは悪くなかったようですが、試していないラインに入ってしまったりと中々ペースが上げられません。挽回するには少し厳しい状況になってきました。
#42 井上 永斗選手は、最後まで安定の走りを見せて11位でフィニッシュ。予選通過となりました。#45 原國 翼選手はその後もペースが上げられず19位でフィニッシュ。残念ながら予選通過とはなりませんでした。
渡辺学監督の指摘によれば、みんな下見がしっかり出来ていないとのこと。練習走行時にもっとコース全体を把握し、第二第三のラインを掴んでおかなければならないと指摘されていました。10分という短い時間で結果を出すには、そうした分析力と状況判断力が試されますね。
■ 決勝IB ヒート1
土曜日の午後からは決勝IB ヒート1が行われます。予選の通過タイム順にスターティンググリッドを選択できるので、予選で上位に入ることは決勝にも影響してきます。
予選3位だった#7 堀越 秀鷹選手は、中央あたりを選択。#42 井上 永斗選手はイン側からのスタートとなりました。
スタートはそこそこ出れたものの、コーナーに入る時にエンストしてしまい、追い上げる展開に。スタートが決まっただけにエンストは痛いミスでした。
順調に順位を上げるも、中々一気には前に出れません。1台ずつパスして着実に順位を上げていきます。
追い上げた続けたもののエンストが響いて順位が思うように上がらず11位でフィニッシュ。なんとかポイント獲得圏内となりました。
初めて予選を通過した#42 井上 永斗選手は、少し緊張していたようです。まずは確実にポイントを取りに行く気持ちに切り替え、焦らないようにしていたとのこと。
スタートは出遅れてしまい、1周目は21位で通過。少し硬くなっていたようにも見えましたが徐々に自分のペースで走れるようになってきました。ここから挽回することが出来るでしょうか。
前走車を上手くパスできず、すぐに追い込めませんでしたが徐々に順位を上げていきます。しかし、時間的にはそれが精いっぱいで、最終的には14位でフィニッシュとなりました。うまく抜けていればもっと上位を目指せた雰囲気はあったので、まずはポイント獲得できたのは良かったと思います。初の決勝進出&ポイント獲得で、大きな経験値を手に入れられたように思います。
ツイスターレーシングから出場した選手が参戦する土曜日のプログラムは以上にて終了。4名の選手が出場して、2名が決勝進出&ポイント獲得と、前回より良い結果となりました。
#7 堀越 秀鷹選手(予選:3位、決勝ヒート1:11位)
#41 藤川 昴選手(予選:19位)
#42 井上 永斗選手(予選:11位、決勝ヒート1:14位)
#45 原國 翼選手(予選:19位)
翌日日曜日は、コンディションが回復したこともあって、フルコースでの戦いになりました。フルコースなら、今までの練習での走り込みが活かせますが、昨日とは状況が変わりますのでそれがどう出るか、対応力が問われます。
練習走行は、両選手とも今回初となるセクションを重点にラインの確認を行ったようです。どちらも感触は上々で、調子は良さそうな雰囲気。ジャンプする箇所も増え、距離も昨日より延びますが、どんな戦いになるでしょうか。
■ 決勝IB ヒート2
決勝がスタートしました! #7 堀越 秀鷹選手はフロントが浮いてしまい失速。そのまま集団後方まで下がってしまいます。#42 井上 永斗選手はやや反応が遅れたものの、中盤位のポジション。どちらも決まった!と言える展開ではなく、追い上げレースの予感です。
#7 堀越 秀鷹選手はその後転倒したりエンストしたりと、最悪の展開に。前日の決勝ヒート1の反省があったのか、少し意気込み過ぎてしまったようです。でもそれは前半だけで、気持ちが切り替わったのか徐々に自分の走りを取り戻し、ペースが上がってきました。
見ていても幾らか冷静な走りに変わったのが分かりました。プッシュしつつも無茶はしないレース展開で、前走車に追いついてはパスするを繰り返し、徐々に順位を上げていきます。
徐々に追い上げるも、前半で開いてしまった差は大きく、最終的に10位でフィニッシュ。ポイント獲得とはなりましたが、やはり前半のドタバタが悔やまれます。昨日の今日で、スタートから気合が入りすぎてしまったようです。
#42 井上 永斗選手は、1周目が20位と少し後方から追い上げる展開。前半は少し身体の硬さが出ていたように見えましたが、徐々に自分の走りが出来るようになり、ペースを上げていきます。
前走車に捕まる展開が多かったので、うまくパスしていけばもっとタイムが出たように見受けられました。それでも冷静に1人ずつパスしていき、11位まで追い上げます。しかし、ラスト2周のところで転倒してしまい、14位まで転落。どうなるかと思いましたがその後すぐに追い上げて、最終的に12位でフィニッシュ。ヒート1に続いてポイント獲得となりました。
レース後の振り返りでは、中々抜けなかった前走車を抜いた瞬間に気が抜けて転倒してしまったとのこと。また、今回はレース中に多少接触するバトルも経験できたようで、今回のポイント獲得は大きな自信と経験値を得られたようです。
ツイスターレーシングのメンバーが参戦するレースは、これですべて終了となりました。
#7 堀越 秀鷹選手(決勝ヒート2:10位)
#42 井上 永斗選手(決勝ヒート2:12位)
レースが終わってほっとしたのか、メンバー同士が談笑しています。ツイスターレーシングのメンバーは仲が良く、みんなでお互いを高め合う雰囲気がありますね。決勝を戦い抜いた選手と予選通過出来なかった選手、全員がお互いに切磋琢磨し、次回に向けての課題が見つけられたのではないでしょうか。
その後はIAクラスのレースを観戦した後、暗くなる前に片付けを終わらせ、解散となりました。
今回のレースについて、渡辺学監督からコメントを以下にまとめておきます。
#7 堀越 秀鷹選手について
前回3位になっていること、SUGOは馴染みにコースなので両ヒート6位以内が理想
予選のスタートは良かったが、決勝はどちらのヒートも悪く課題が残った
#41 藤川昴選手について
予選通過ギリギリのラインにいるのに混戦での走りに弱さを感じた
気持ちが弱いのでそこから直す必要がある
#42 井上 永斗選手について
初めてのショートコースで戸惑いながらも予選通過は自信に繋がった
地元コースでのポイント獲得は次のレースへの弾みになる
#45 原國 翼選手について
前回のポイント獲得に続いてポイントを取ってほしかった
コースの下見が絶対的に足りていないのでまずはそこから
ツイスターレーシングは、沢山のサポーター様に支えられているお陰で、こうしたレース活動が行えています。まだまだこれからのメンバーが多いので、今後もチャンピオンを狙える選手育成を行っていってほしいですね。
遠方から応援に駆けつけて下さった皆様の応援、スポンサー様とのやり取りなど、心温まるシーンが沢山ありました。サポートされているからにはしっかり結果を出す必要がありますが、ツイスターレーシングの今後を見守っていきたいと思います。
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